[Windows] robocopyとxcopyの違いは?
問題
Windowsで、バックアップのためコマンドでファイルをコピーしようと思います。
robocopyとxcopyが似ていますが、何が違いますか?
答え
結論
robocopyが使えるのであれば、xcopyを使用する理由はほぼない。
robocopy(Robust File Copy)
robocopy は、より強力で堅牢なコピーを目的として設計されたツールです。Windows Vista以降、標準で搭載されています。
robocopyの主な特徴とメリット:
差分コピー機能(ミラーリング): /mir オプションを使うことで、コピー元とコピー先のディレクトリを完全に同期(ミラーリング)できます。コピー先にしか存在しないファイルを削除することも可能です。これが robocopy の最大の強みです。
堅牢性: ネットワーク接続が切断された場合でも、自動的に再接続やリトライを行います。コピーが中断しても、再開時に未完了の部分から再開します。
詳細な制御:
/xd (eXclude Directories) や /xf (eXclude Files) で、特定のファイルやディレクトリを除外できます。
/mt (Multi-Threaded) オプションで、複数のファイルを並列でコピーし、高速化できます。
/log で詳細なログを出力できるため、実行結果の確認やトラブルシューティングが容易です。
メタデータの保持: ファイルのタイムスタンプ、属性、セキュリティ情報(ACL)、所有者情報などを保持してコピーできます。
まとめ:
robocopy は、バックアップ、同期、大規模なファイル移行など、信頼性と堅牢性が求められる用途に最適です。
xcopy(eXtended Copy)
xcopy は、copy コマンドを拡張したもので、Windows 95/98の時代から存在する古いツールです。現在でも利用できますが、robocopy の登場によりその役割は限定的になっています。
xcopyの主な特徴とメリット:
互換性: 古いバージョンのWindows環境でも利用できます。非常に古いシステムとの互換性が重要な場合はメリットになります。
シンプルさ: xcopy は、robocopy に比べてオプションが少なく、シンプルです。簡単な用途であれば、xcopy の方がコマンドが短く済む場合があります。
サイズ: xcopy.exe は非常に軽量な実行ファイルであり、フットプリント(ファイルサイズ)が小さいです。
xcopyのデメリット:
ミラーリング機能がない: 差分コピー機能が弱く、コピー元とコピー先を完全に同期させる機能はありません。
堅牢性が低い: ネットワーク接続が切断されると、処理が中断してしまうことが多いです。
詳細な除外設定が困難: xcopy には robocopy のような /xd や /xf オプションがありません。
比較表
機能 | robocopy | xcopy |
---|---|---|
主な用途 | バックアップ、同期、大規模移行 | シンプルなコピー、古いシステムでの利用 |
差分コピー | 可能(/mir) | 不十分 |
ミラーリング | 可能 | 不可 |
堅牢性 | 高い(自動リトライなど) | 低い |
高速化 | 可能(マルチスレッド/mt) | 不可 |
除外設定 | 可能(/xd, /xf) | 不可 |
メタデータ | 保持可能 | 保持できる情報が限定的 |
標準搭載OS | Windows Vista以降 | 全てのWindows OS |
結論:xcopyのメリットはあるか?
現代のWindows環境において、robocopy が利用できるのであれば、ほとんどの場合で robocopy を使うべきです。xcopy が優れている唯一の点は「シンプルさ」ですが、これもオプションが多すぎると感じる程度で、robocopy の方がより安全かつ確実なコピーを実現します。
したがって、xcopy のメリットは、「古いシステムでの互換性が必要な場合」や、「非常に単純で、かつ堅牢性を必要としないファイルコピー」に限られると言えるでしょう。それ以外の場合は、robocopy の使用を強く推奨します。